長峰@副館長
いよいよ、医療リンパドレナージセラピスト養成講習会が始まりました。10~11月は初級講習会、来年1~2月は中級講習会と段階的にカリキュラムが組まれていて、最後に認定試験が待っています。厚労省が定めた所定の時間を満たす理論講習と実技講習を学びます。初級講習会では、リンパの解剖生理やリンパ浮腫の病態、複合的理学療法の詳細、正常なリンパの流れに沿ったドレナージ、弾性包帯による圧迫方、対応する健康保険制度などについて学びます。
ここまで、3日間の理論講習が終わったところですが、鍼灸マッサージの専門課程で学んだ基礎知識の上に、リンパ浮腫とその治療について専門的に深めています。「ここ覚えてくださいね。テストに出ますよ。」と講師の方が教えてくださるのですが、ほとんど全部じゃん!と、理解することや覚えること、だらけです(汗)。驚いたのは、医療機関で医療的ドレナージを含む複合的理学療法を施す場合の保険点数が低いこと、そして健康保険が適応できる可能治療回数が非常に少ないことです。病院等の経営を考えると、説明や治療に時間が掛かる割には保険点数が低く、積極的に導入しようという運びになりにくいと考えられます。患者さんの立場からみても、健康保険を利用できる治療回数に制限がつく形になってしまっています。こんな状況では、とても患者さんが適切な治療を受ける環境が整っているとは言えず、辛い日常を送ることになってしまいます。
そこで私は「治療院として、医療的リンパドレナージを必要としている患者さんに貢献するためにはどうすればよいのか」と考えました。今はまだおぼろげな構想ですが、自費治療でも患者さんの負担が少なく、患者さんそれぞれが必要なだけ治療を受けられるような専用のコースの新設をしたいと思っています。特に乳がんや子宮がんの患者さんは増加傾向にあります。地元の治療院としての特色を活かして気軽に治療を受けられるようにしたい、そして遠方の患者さんに対しても、少し足を延ばしても負担が少なく通いやすい治療院にしたいです!
リンパ浮腫の他にも、むくみが生じる疾患は多くあります。鑑別したり治療可能な状態か判断する必要があり、単なるむくみを揉みますよ的なマッサージとは全く違うことを学びました。日常生活にも困難を生じるリンパ浮腫、お身体だけでなく心も辛くなる方も多いと思います。毎日を少しでも快適に過ごしていただきたい!と改めて感じた3日間でした。
また、医療的リンパドレナージを学ぶことにより、美容的なリンパドレナージに対してもハイグレードな施術ができることが分かりました。医療的リンパドレナージは私たち治療家の可能性を大きく広げると同時に、より多くの患者さんやクライアントに貢献をすることができる素晴らしい技術です。
今週末からは実技講習が始まります。引き続き取り組んでいきたいと思います。